Margaret Howell Favourite Shirt 3L
「今後の人生、一つのブランドでしか買い物しちゃダメ!」なんてことになった場合、たぶんマーガレット・ハウエルを選ぶだろうなと、以前から考えていた。
とは言いつつ、頂き物で貰ったマフラーと靴下ぐらいしか持ってないもんで、説得力には欠ける。実店舗やブランドロゴさえも含めたトータルの雰囲気は物凄く好きなんだけど、アイテム単位でピックするとなると別のブランドで済ませても良いかな〜となっちゃう。往路3位、復路2位、総合優勝みたいな感じ。
1970年、まだ駆け出しの彼女がとあるバザー会場で手にしたのは、やわらかな風合いの生地に繊細なステッチワークが施されたビスポークシャツ。当時の英国では、華美なデザインや糊の効いたシャツが主流であり、質素で洗いざらした風合いのシャツには、誰も関心を示さなかった。しかし、それに魅了された彼女は、自宅のキッチンでシャツづくりを始める。
そんなハウエルのシャツは気になっていた。親しみやすい英国カジュアル系統の王様、みたいなコナレた構えをしながら其の実シャツは普通に3万円を超えてくる。
買ったシャツはラッキーなことにドチャンコ安く投げ売られていたもの。しかもサイズは3L。なかなか中古市場でL以上のシャツは見かけないし、XL以上ともなれば滅多に出現しない。恐らく、グラフペーパーの南貴之さんが所有しているのと型番もサイズも同じやつ。
相当デカく作ってあると見せかけて、元々がコンパクトな作りの分、今のご時世だと常識的な大きさ。襟周りは相応に余るものの、全体的なサイズ感はラルフローレン(ブレイク)のLLとよく似ている。今のコモリシャツの2と同じぐらいだと思うけれど、旧型のショートスリーブしか持っていないので何とも。
ステッチも細かい。日本製。
前の所有者はあまり洗いをかけていなかったのか、はたまたドライクリーニングに出して糊を乗せていたのか、かなりパキッとした表情。しかし洗剤だか柔軟剤だかの香りがキツく、襟元も少し黄ばんでいたので、容赦なくドライコースで何度も洗濯機に放り込むと出るわ出るわ、パッカリングが。
フランネルソルの薄く起毛した、僅かに黄色がかったフワフワの生地はまた違う、シャープでピキーンとしたブロードクロス。サンリミットの生地を少しだけ硬くしたような触り心地。今の涼しい季節、天日干しでカリカリに乾かすとチョー良いと思う。
白いシャツって油断すると一瞬で汚れるし、特に襟と袖周りはエラいことになるし、敬遠しちゃうんだけど何故か買ってしまいがち。白シャツ1枚だけで似合いたいという願望が拭えないからこそ、アイテム側で補ってもらおうという魂胆があるのかもしらん。
モテたい、金に糸目は付けない、という人がいればハウエルのシャツは強く勧める…かもしれない。
柔軟剤の香りが。