暑くてジーンズを穿きたくない季節が来たので、前から興味のあったことを始めたい。
それは、太陽光(紫外光)がジーンズのインディゴにどのぐらい影響するか、ということ。
デニムに日光が当たると色落ちすることは半ば常識として知られているわけですが、やれ洗濯がどうだ、やれ乾燥機がどうだとワイワイしているデニム愛好家がネットに溢れている割にはそれらしいデータがほとんど無いわけで。
これから行う天日干しに関しては既に先駆者がおり、↑のレポートだと1年で強烈な褪色が生じています。
結論出てるやんけ!
とはいえ、サンプル数は多いに越したことは無いし、ズボラな僕でも簡単に出来るお仕事ですので、やってみましょう。
実験台
残念な写真、目視では同じ色です
検証するのは1月に購入したA.P.C.のニュースタンダード。裾上げ後の切れ端がタンスで眠っていたのを見つけたことが、実験のきっかけです。リジッドから糊落としを済ませた状態です。
せっかくなので、ほつれたステッチもそのままにして、縫糸の褪せ具合も確かめてみます。
様子
あら、簡単。
ベランダに干すだけ。マンションの低層階に住んでいるため日差しは最悪だけど仕方ない。このために引っ越すわけにはいかないでしょうよ。この記事が大バズりして、タワマンに住めるぐらいの広告収入が入るなら話は別だけど…
2020年にあるまじきピンボケよ
もう片方の切れ端は引き続きタンスに仕舞い込んであります。冷暗条件ってやつ。
厳密にやるなら、天気、温度、日照時間なんかを細かく記録して、インディゴを採取(?)して分光分析にかけて定量的なデータを出すのが筋なんだろうけど、やるわけないよね。ソーラーシミュレーターを用意したり、酸素(空気)の有無による酸化の検討もするのがベストだけど…そこまでやったら学術誌への掲載も夢じゃないかも。
適当が一番。
諸々
大学時代の3年間、光に関する研究で色んな化合物に擬似太陽光を当てて合成・分解して遊んでいる中で、染料は紫外光で容易く分解する(故に新規性に乏しい)のを見てきました。黒いリュックサックが1年ぐらい使うと赤味or緑味を帯びる経験は誰しもあるはず。それも日光と空気の影響なんでしょうね。
インディゴは御多分に漏れず染料ですので、日光の影響は免れられないのは当然のこと。しかし、インディゴの物性は全く理解してないし、有機化学の知識も全部忘れたので構造式を見ても特に何も感じるものは無いのですが、放置の間で色々お勉強してみようかと思います。
未だ使い切る気配のない食卓塩(4年モノ)
インディゴの色落ちと言えば、染色を専攻していた後輩に以前、ジーンズの色落ち防止として洗濯時に塩を入れることの効果を尋ねたことがありました。記憶の限りでは「塩は染める際に用いるものであって、洗濯時に落ちるインディゴなんてのは繊維から剥がれ落ちた、いわば既に死んでいる染料がほとんどなので、今さら塩を加えたところで色落ちが防げるなんてことは基本的に有り得ないですよ」みたいな回答でした。まことしやか度の高い話で、ジーンズ好きの間ではさも当然のように伝えられていることですが、一考の余地アリと考えます。
デニムの生地をポッキー(グリコのお菓子)に例えますね。インディゴの染料がチョコレートで糸があのさくさくしたヤツです。
普通の水と氷水で洗ったらどっちがチョコがとけにくいでしょうか?
まあ、内容は少し違うけれども塩水は氷水です。汚れが水中に溶け出しにくいという事です。
この例え自体はハテナ?ですが、ポッキーのくだりを引用するなら、僕の中での色落ちのイメージは日々の屈曲や擦れによってポッキー(生地)がポキッと割れて、チョコのクズ(死んだインディゴ)が飛び出ていくイメージ。そうなれば、どう頑張っても修復は出来ないし、塩水に漬けたところでインディゴの流出を阻止することは出来ない。エビデンスの無いド素人の直感ですが、現時点で自分を納得させるならコレかなぁ。
煽り
ジーンズは、はきこんで味を出していくものです。
新品のジーンズを買えばいいというものではない。ということくらいジーンズ好きなら当然思っていることです。
そんなこともしらない素人さんの意見なんか私は必要としてないんですが。あと、塩が色落ち防止に効果があるというのは、もはや議論の余地のない常識のことなんですけどね。
そんなことも知らない素人さん。お答えいただいてありがとうございます。
…( ^_^)?