聴いてるようで全然聴いていない、いつもの状況。
6月の終わりまで待てば良いのだけれど、気持ちを整理するべく、特によく聴いている音楽を一旦放出致します。積みアルバムが多すぎるんだぁ…
アルバム、曲が混在しておりますが。
・All I Need (Djesse Vol.3) / Jacob Collier with Mahalia & Ty Dolla $ign
2020年代の始まりから、なんてものを………
もはや怪奇。イギリスの超才音楽家、ジェイコブ・コリアーが2018年より毎年リリースしている、全4部作の組曲"Djesse"。その第3弾が出ようとしている。ネガティブ・ハーモニー、マイクロトーン、ポリリズムを駆使したオタクのオタクによるオタクのための宇宙&地球ミュージックが炸裂していた過去作から、この先行シングルで"大衆受けしないアルバムで2年連続グラミー賞を獲った音楽オタクの俺が究極のポップミュージックに取り組んだら音楽史に残る名曲を量産してしまったんだが?"という新たなステージに進出。なに言ってんの?
昨年の"土曜日のフライト/Wake Up, Girls!"に続く"What a Fool Believes / Doobie Brothers"系統のリフ(そんなものはない)はハズしようがない正義。初期はバス〜ソプラノを含む歌や、楽器演奏を全て自分でこなしていたのが、近頃は多種多様なミュージシャンの声・演奏を取り入れることで金太郎飴感が無くなっており、一歩ずつ確実にヒットチャートをシバきにきているのが感じられます。
By popular request: the Logic session for All I Need. A filthy beast – 646 tracks tall. Breakdown on YouTube TOMORROW! 6pm UK / 1pm ET / 10am PT. It’s gonna be a good one :-) see you there 💙 pic.twitter.com/VDNdPAnwWb
— Jacob Collier (@jacobcollier) 2020年5月20日
本曲のレコーディングで使われたトラック数は646個。なに言ってんの?
音楽星人が攻め込んできた時に、地球代表を選出するなら大将はジェイコブ・コリアー。負ける気せえへん地元やし。
・実意の行進/焦点回避/松木美定
再生回数3,000て…
昨年あたりから急浮上しているらしい、シンガー/コンポーザーの松木美定(まつき びてい)さん。知ったきっかけは現代ジャズ繋がりのフォロイーのツィート。プロフィールを見るに、僕と同い年?
ありがちな「ジャズをポップやロックのフォーマットに落とし込もうとした結果、とんでもなくダサくなる」現象が全く起きておらず、ジャズの様でなくてジャズなトラックと、浮遊感のある歌声がグッドマッチ。"実意の行進"の「まあよくあることさ」という歌詞(Just One of Those Things)の引用、ジャズスタンダード曲を思わせる"焦点回避"のご機嫌なメロディー等、随所にジャズを丁寧に通っていたと思われる痕跡が残っていて、もう好き。
今年、加速度的に人気が上昇することは間違いないと思います。
・NOVO RITMO / シンリズム
神戸出身、22歳のシンガーソングライターのニューシングル。ブラジル音楽って、ジャズやヒップホップ以上に沼が深い気がしていて、どうしても手を出せずにいます。ホントに、アントニオ・ロウレイロ、ペドロ・マルチンス、フーベル、オ・テルノぐらい。
耳馴染みのあるサンバ・ボサノヴァの進行・リズム、柔らかな歌声。松木美定さん同様、ブラジル音楽のエッセンスをJポップのフォーマットに落とし込んだ美曲たち。歌詞は日本語、構成もJポップのABCメロがベースなので、曲中の起承転結も把握しやすい。(この辺の分からなさが、本場のブラジル音楽に手を出せていない大きな理由)
初夏の気候にもよく合うので、今から聴いて、年末まで聴き倒しちゃおう。もしかしたら本作がきっかけで、僕のブラジル元年が訪れるかも。
・Tetrahedron / Ernesto Cervini
カナダ出身の現代ジャズドラマー、エルネスト・チェルヴィーニの新作。実はエルネスト氏は初聴きですが、最愛ギタリストのニア・フェルダーが全面フィーチャーされていることで知ったアルバムです。LOVE♡(6月に出るニアの新作も楽しみだね♡)
"朝日のようにさわやかに"の魔改造アレンジに驚異的な中毒性アリ。ベースのリフだけで白米余裕。朝日でもなければ、さわやかでもない。テーマも曲の終盤まで始まらない。何も分からない。
2曲目も音のスペース広めのハードボイルドなインプロ合戦といったところで、気になる女性とのデートで行ったジャズバーでこの演奏が始まったら"終わる"だろうけど、隣のテーブルには思わず頭を前後左右に揺らしながらニヤけ顔で唸り声が漏れているキモ・オタクがいることでしょう。それが僕です。
タイトルも良い。四面体。何が。
・30 / YeYe
"あつまれ どうぶつの森"でも島名(ゆらゆら島)にしてしまった、それほど魅力と魔力あるオーストラリア在住のシンガーソングライター、ィエィエの新作。
りりか(in living.)さんが主演の"ゆらゆら"はYouTubeで770万再生を超えたけれど、あの曲の様なソフトな音使いは寧ろレアで、強めに歪んだり弦跳躍を利用したファンキーなリフを奏でるギター、音割れしそうなぐらいドンダン鳴るドラムなど、一味効いた曲が多い。
打ち込みやシンセサイザーのサウンドが主軸の今作でも、ィエィエの歌声が乗るだけで角が取れた優しいサウンドに聴こえる。カート・エリングなんかもそうだけど、声が良いとそれだけで音楽が成立するよね。どうでもいいけど、最近までトーン・ポリシングを"Tone Polishing"、すなわち声色を磨くことだと勘違いしていました。大事だよね。
レディオヘッドで言うクリープの様に、マスへのウケ方が自身の方向性を阻害しかねない中で、ブレない音作りを追求しているィエィエを応援し続けたい。
・ソンナコトナイヨ / 日向坂46
やっぱり東村芽依さんだよなぁ。
秋元康傘下のグループの中で最も勢いがあると思われる、日向坂46。
他を寄せ付けない顔面と可憐なキャラクターでアイドルを再定義した乃木坂46と、狂気的なパフォーマンスで上り詰めた欅坂46のDNAを併せ持っているだけあって、ルックス&ダンスの総合的な魅せ方がダンチ。10年前の48グループを彷彿とさせる高出力のポップソングを2020年でもウケさせるのは、真に実力のあるアイドルだからこそ出来るワザ。
・I see… / 乃木坂46
賀喜遥香さんと清宮レイさん、ヤバくね?
既に話題にあげたことのある曲ではありますが…「SMAPっぽい」とネット上で騒ぎになった、乃木坂46の4期生によるニューソング。嵐の"Love so sweet"等を手掛けたyouth case氏の作曲であり、SMAPと嵐を掛け合わせた様なハッピー・ポップがジャニーズファンをも巻き込んだムーブメントに。結果、白石麻衣さんの卒業シングルである表題曲"しあわせの保護色"の再生回数を大きく上回ってしまうことに。
こっちは"青いイナズマ"や"KANSHAして"等、ホントにSMAPの曲を手掛けた林田健司氏の作曲
でもさ、SMAPっぽいアイドル曲なら、漏れ達アスタライトとしては東京女子流の"それでいいじゃん"を真っ先に挙げたいよな?(老害)
毎度の節操なしセレクト。楽しい!6月もいっぱい聴く!