365日をJ棟で

サラリーマンの諸々日記。買い物、音楽、日常。

日記ちゃん。ザ・イントロ。(2023/6/6)

 

浪人していた時期から大学の中盤まで、東京女子流(TGS)というガールズグループにハマっていた。イベントに行って握手したり写真を撮ったりする程度の、ライトな在宅オタクではあったが。

TGSは、有り体に言えば楽曲派、それも80〜90sのスタジオサウンド好きを狙い撃ったコアな音楽性で人気を博していた。初期は松井寛a.k.a.Royal Mirrorballさんを作編曲の中心に、ライブは土方隆行さんや渡嘉敷祐一さん等のベテランをバックに据えていた。油絵的に発色の強いサウンド。T-SQUARE生まれフュージョン育ちだった私がハマるのは一瞬である。

2015年くらい、メンバーの脱退もある中で、アイドル→アーティストへの大胆な路線変更を明言した。あえてアイドルフェスの出演も控え、言ってしまえば楽曲派おじさんを切ってファンの平均年齢層を下げにかかる、より淡さを求めたエレクトリックなサウンドに変貌した。当時の私は中々ハマりきれずフェードアウトしたので、その舵切りが成功だったかは分からないんだけど、とりあえず新譜は追わなくなっていた。2019年のミニライブイベントで握手&写真会に参加したぐらいかな。その辺りになるとアイドルフェスにも再び参加するようになっていて、サウンドもスタジオ方面とエレクトリック方面の折衷案を模索しているような、朧げだが少しずつ前進している印象があった。

月日は流れ、デビュー時は中高生だったメンバーも20代半ば。かつては大学生だった私もアラサーである。はて、今のTGSは如何に?と検索をかけると、昨年に6枚目のフルアルバム"ノクターナル"をリリースしていた。

 

ノクターナル

ノクターナル

  • 東京女子流
  • J-Pop
  • ¥2241

TGSによる全曲解説、必見である。

私の興味を引いたのが、1曲目に踊る"Intro"の文字。TGSのアルバムは1st〜4thまで、"Intro"に始まり"Outro"で終わるという法則があった。更に新作の"Intro"は前作の"Outro"を踏襲したアレンジになっているという憎い演出も。4年間に渡って連綿と続いたシリーズ盤であり、そして恐ろしいほど楽曲の完成度が高い。アルバム単位で語れる、一つとしてスキップが出来ない究極のマスターピースたち。個人的にはビートルズの"Sgt. Pepper's〜"と"Magical〜"、ATCQの2ndと3rdぐらい比較が難しい。4枚というボリュームは、完結編の製作も待ち遠しいジェイコブ・コリアーの"Djesse"とも(私の中で)並び称される。

話は逸れたが、アーティスト宣言後に方向性を変えた5thは"Intro"システムを排していたため、今回の6thは再生ボタンを押す前から「原点回帰」を予感させていた。大人となった今のTGSなら、4thまでの方向性をブラッシュアップさせたうえでピタッとハマれるのではなかろうかと。

 

う〜わ、おじさんテンション上がっちゃったよ。1分49秒、足りない想像力がありったけに爆発。

ハコは大阪の心斎橋BIGCAT、デカくてもなんばHatchぐらい。東京ならO-EASTぐらいか?行ったことないけど。ライブハウスの開演時間、できれば19時が良い。場内BGMと照明がスッと落ちる。待ち切れない観客たちの歓声と拍手、刹那の静寂の後に鳴り始めるSE。ハンドクラップに合わせたライトの明滅、黄色味の強い逆光、先に入場するバックバンド、片手にはストローの刺さったペットボトル、思いのほか重低音が強くて揺れる下腹部、ギタリストがヘッドに付けたチューナーの光、1:10あたりから音源とバンドサウンドがクロスオーバーしてもカッコいい。遅れて入ってくるメインアーティスト、演者同士の目配せ、そして上がる幕。

要約すると、この"Intro"からはライブにおけるイントロSEとして、たまらない良さを感じた。TGSに限らず、好きなアーティストのプレイリストの冒頭に置くと途端にワンマンライブのオープニングに変化させられる。任意のタイミングで歓声のSEが出せるアプリが欲しい。

それはさておき、繋がった2曲目の"Viva La 恋心"も出色の出来。ライブになぞらえると、アーティストが同じ空間にいるという興奮に脳が追い付いていなくて、まだフワフワしている時間の楽曲。パフォーマンスはもちろん楽しみたいけれど、今日のメンバーのファッションが、バンドの機材が、お客さんの数が、と情報に目移りしている。演者も滑り出しなので、いきなりキラーチューン・代表曲では双方の血圧が上がって竜頭蛇尾になりかねない。そのスキマを埋める楽曲としてのミドルアップなメロウチューン、これ以上ないオープナーだと思う。

 

屋内のライブハウスなら先述の入り方が個人的に好きだけれど、オープンエアーな野外フェスなら5曲目の"コーナーカット・メモリーズ"をオープナーに配置しても良さそう。往年のカタいスタジオサウンドを解した、とても余裕のある(でもテンションは上がる)ダンスナンバー。このアルバムを聴く前の「4thまでの方向性をブラッシュアップさせた」という期待がドンピシャ。もう一度、東京女子流にハマっている自分がいるぞ。

 

思い出したのは、2014年ぐらいに西北ガーデンズでフリーライブイベントがあって、そのオープナーが3rdの"ふたりきり"だった。初めて聴く曲で、めちゃくちゃ衝撃を受けた。サウンドめっちゃ良いし、めっちゃアイドルだし。新井ひとみさん、結構ビジュアルで印象に残ってる人も多いと思うんだけど、1人だけコンプレッサーとオートチューンかけてるんかってぐらい歌が上手いんですよ。個人的なアイドル7不思議の一つ。

その後の握手会、推しの中江友梨さんの後ろには新井ひとみさんが待ち構えていて、あまりのビジュアルと緊張に「あっ………あっ、可愛いですね…」としか言えなかった。キッモ。