365日をJ棟で

サラリーマンの諸々日記。買い物、音楽、日常。

革靴の丸洗い。

先日購入した中古のマスターロイド。以前から興味のあった丸洗いを実行する。

個人的に革靴が濡れることへの恐れは無い。東京での新入社員研修ではリーガルの01DRCDを2足ローテで履いていたが、突然の豪雨でずぶ濡れになった日もある。雨に弱いとされるアノネイのベガノカーフ(しかもレザーソール)だったが、シミも現れず今日も元気に下駄箱で眠っている。

丸洗いにあたり、参考にしたのは下記サイト。01DRCDの洗い工程が懇切丁寧に書かれている、JL・EG・G&G等のハイエンドシューズを何足も所有している…といった点から手堅い作業が行えるのでは、と思い参考にした。

 

※下記工程には私の適当な考えが多分に含まれています。万一革への再起不能なダメージが生じても一切の責任は負いまへん。しばらく経過を見て、良くない点が思い当たればリライトします。

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ドボン。

というわけで、温水を張ったタライに靴を放り込む。冷水だと手が冷えるが、熱水だと接着剤の剥がれや革のダメージが無いとは言い切れないので、温水。事前にステインリムーバーとクレム1925(油性)で表面のクリームやワックスを落としてドボンしたが、とにかくワックスがアホの様に厚塗りされており、ほとんど落ちなかった。これだから鏡面磨きは嫌いなわけで…

15分ぐらい漬け込んだら汚水が出来上がるかなと思いきや、薄っすら茶色になるだけだった。そもそもこの靴、全体的な状態は悪い割にソール(レザーソール+ハーフラバー)の減りは少ないし、カウンターライニングも綺麗で張り替えた形跡がある。もしかすると比較的最近、丸洗を含めたレストアがされている可能性が高い。しかし精神衛生上よろしくないので、僕は何度でも洗う。

 


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アワアワ。

サドルソープをスポンジで泡立て、アッパーに塗り塗り。多少スポンジに黒い色が移るものの、汚れが落ちているような雰囲気はあまり無い。結構な勢いでゴシゴシと泡を塗り込んだが、これは「得体の知れないアッパーを綺麗にしたい思い」>「革へのダメージを最小限に抑えたい」の不等号が成り立っているからであり、普通は優しく撫でるだけで良いと思いやす。

サドルソープには保革成分が含まれているというので、泡は洗い流さずに雑巾で拭い取るだけに留めた。全体的の水気を取り、マンションの廊下で一晩寝かせた。飽和蒸気圧量を考えると暖かい部屋の方が有利とはいえ、外の方が風通しも良く湿気もグングン抜けていく印象があるので。

 

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一晩乾燥した結果。

内部は未だ含水を感じるものの、アッパーはニトっとした軽い湿気を持ちつつも粗方乾いた。少し塩を吹いている部分もあるが、深く捉えずにコロニル1909のシュプリームデラックスを塗り塗り。水分+栄養補給を足すのが第一義だが、シュプデラは汚れ落とし効果も見られるため、洗いでは落ちなかった汚れが除けるのではという期待があった。果たして、塗り塗りしていた左手中指は緑色になった。何これ、緑青?しかも石鹸でゴシゴシしても中々落ちない。なんなん、、、

ちなみにシューツリーは撮影時の見栄えのために入れているだけであり、内側の湿りがある程度取れるまではキッチンタオルを詰めていた。洗い後すぐにツリーを入れると、湿気が窒息してツリーごとカビてしまうのでは?という懸念があったことによる。

 

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すっぴんになった革はクリームをグングン吸い込んでいく。しげしげ眺めると、屈曲部に小さなクラックが見られるものの、大きな傷だと思っていたものはクリームやワックスによる表面上の乱れで、アッパーの状態は想像よりは悪くなった。革もクロケット&ジョーンズが使うだけあって生命力が高い。なんとなく健康的かなと思いモウブレイのアニリンカーフクリームも塗りたくったが、手間がかかるだけで必要無かったかも。

この後、更に1日放置して水分の追い出しを進めた。浴室乾燥を使うと、それなりのスピードで乾く。もちろん、温風が直接当たらない床に置くという配慮は忘れず。

 

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そういえばiPhone 12miniに機種変しました。

最後にサフィール クレム1925の黒クリームを塗り、ブラッシングと乾拭きで仕上げ。英国的な青味のあるイングリッシュギルドのクリームではなく赤味の強いサフィールにしたのは「洗いで落ちきらなかったワックスが残ってるし、油性のクレムでグワ〜ッと一緒くたにしたら、何とか誤魔化しが効かんかな〜〜〜」という身勝手な願望による。でも上の写真(そして実物)を見る限り、意外と良い感じになったかも?クレムの補色効果も相まって、見た目上は"ちょっとした中古靴"くらいにはなった。

ただし、相当量のクレムを表面に乗せたので、今の革は恐らくは栄養過多でデブ一直線。なるべく毎日ブラッシングと乾拭きを繰り返すことで、最小量の栄養のみが革に乗っかった状態に近づけんといかんかなと。

 

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良いと思います。

やはり、光沢が出ると傷や擦れというのは目立たなくなる。街ですれ違うぐらいであれば、そこそこの靴マニアでさえ「綺麗にしてはんな」と騙せるのでは。近くで見ると、踵周りが銀浮きでボコボコしていたり、恐らくシューストレッチャーでボールジョイント付近を伸ばした影響で革が薄く弱っていたり、決して良い状態とは言えないんだけどね。

(私の革靴観は、ほぼ全てが下記ブログの受け売りなので、是非とも元ネタをご一読ください)

また、ツヤが出ることで、表面に光の反射で陰影が生まれます。表情が出ます。すると、細かい小さな傷なんてその光とツヤで、目立たなくなってしまうのです。もちろん本人がお手入れする際などに手にとってマジマジと眺めれば全く今までと変わらず傷の大きさも数も変わっていないのですが、大切なのは傷一つシワひとつ入っていない靴をコレクションすることでしょうか?

それにしても、手持ちの道具で靴を手入れすると大体似たような光り方になるのね。当たり前といえばそうなんだけど、ちょっと個性が出て面白い。

靴の丸洗い、いっぺんやってみると楽しいですよ。