ハッピーバースデー、僕。
25歳になりました。
モノホンのアラサーの方には「まだ若いでしょ!」と叱られるし、かといって、ハタチほどの若々しさもない。何にでもなれるし、まだ何者でもない年齢。うーん…まぁいいや。
研究に関する論文が無事に査読を通過しそうなので、その労いも兼ねた自分への生誕記念贈答品。先月分のバイト代を無に帰しつつ。
まいど。ジャーマントレーナー。
ドイツ軍(ジャーマン)が訓練(トレーニング)で使っていた靴…簡素でチャーミングなネーミング。とはいえ、軍への供給は四半世紀ほど前に終わっており、リアルなジャーマントレーナーというのは2018年現在、製造されておりまへん。
ネットの海をちゃぷちゃぷと泳ぎ回ると、ジャーマントレーナー(と思しき靴)の入手方法はいくつかあって…
- デッドストック、軍の払い下げ品
- メゾン・マルジェラの"Replica"
- レプリカ品
選択肢は主にこの3つ。
デッドストックは希少価値が高く、それ故に価格も中々に辛(から)い。ミリタリーオタクの方に任せておきたい逸品。マルジェラは値段もさることながら、精神面での敷居も高い。服々しい(そんな形容詞は存在しない)感じが僕には辛(から)い。ア、アンチ・モード…?化学専攻なので、アンチモンなら知ってるけど…
残ったレプリカ品が、今回のターゲット。というか、出回っているヤツのほとんどがコレに分類されるんだけど。
僕が今回購入したのは、タナカユニバーサル社のジャーマントレーナー、通称1183。
1970年代〜1994年にかけてドイツ軍でトレーニングシューズとして支給されていました。支給終了後の1994年より現在に至るまで、当時と同じラスト(木型)、カットナイフ、アウトソール、マテリアル、シューレースを用いた仕様、製法で生産しています。クッション性と耐久性に優れた分厚いガムソールは当時の人体工学に基づくもので疲れにくく、ミリタリーアイテムならではの機能性を感じさせます。またスロバキアの工場では当時ドイツ軍だけではなく、アディダスやプーマの生産を担当していたなどの歴史的背景があります。
当時の技術・製法をそっくりそのまま用いて製造している、言うなれば「最もオリジナルに近い完コピ品」ってところでしょうか。ミーハーにとって、ビンビンくる説明文です。
ちょうど数日前にタナカユニバーサルさんのオンラインストアがオープンしたばかりなので、レプリカ品の見分けに不安のある場合は、ココから買うのが安心。
白スニーカーと白ソックスの組み合わせは自分の中で半ば定石化しているけれど、ジャーマントレーナーは何故か黒・紺のソックスを履きたくなってしまう。グレーのスウェード・ベージュのガムソールのおかげか、はたまたブランドロゴすらも排した高い匿名性の為せる技か。
タン裏に施されたモデル名・サイズの箔押しと、スロバキア製を示すステッカー。この2つが剥がれたら、何も分からなくなってしまいそう。ワタシハドコ?ココハダレ?アナタハイツ?
造りが細く小さいので、大き目を選ぶのが吉!が定説のようですが、デカ履き=変に型崩れする、ということに薄々気付きつつある今日このごろ。ヘタなサイズアップはちょっぴり考えもの。特にスウェードの靴は爪先に余裕を持たせると、歩行時にトゥ周りが過度に屈曲し、裂傷ができてしまって嫌なのです。
脱ぎ履きも必ず靴紐を緩めてから行うので、フィット感が強い分には問題なし。というわけで、今回はじめて実寸に近いサイズ(41)を選択。
(僕は足幅が細め&甲も低めなので、参考程度にネ)
圧着されたカチカチのガムソールは地面をグッと捉えて衝撃を吸ってくれるうえ、耐久性もありそうで頼もしい。
履き心地もとても良い。
「いくら軍で採用されてる言うても、数十年前の技術だからねぇ…ってフカフカじゃねえか!クェーッ!」という、良い意味での裏切りがあります。
はじめて存在を知ったときは「これは、ちょっと、ねぇ…」なんて思っていたのに、最近はエラくかっこよく見えちゃって。
初見時に好きじゃなかったものに後からハマるパターン、あるある。
「好きの反対は無関心」とは、よう言うたもんです。
25歳を支える一足、お世話になります。