
金子恵治さんが履くローファーのスタイル(ジョンロブ/ロペス)が好きで、いつかまたローファーに手を出したいと思っていた。またというのは、以前買ったバーウィックは木型が合わず手放してしまったから。ゆえに下駄箱には紐靴しかラインアップされていない。
子どもと外出をする際、玄関での工程数は少ないほどイイ。紐靴を結んで解いている手間と時間は地味なストレスになる。ビルケン等つっかけも便利だが、多様なシチュエーションを見越した準つっかけ枠となり得る靴…今こそローファーを履くときだ!(言い訳)

名はR.C.A.F.で、Re-Created Archive Footwearの略。ヴィンテージシューズの木型をベースに、それら名作を現代的に甦らせた一足。
アッパーにワインハイマー社、ライニングにデュプイ社、ソールにオークバークというファブリックの豪華さ、日本製、そして昨今の革靴の高騰を思えば納得感ある価格。革靴ラヴァーの耳がピクッと反応する靴なのでは。
R.C.A.F.はオリエンタル社の傘下?にあるブランドのようで、言われてみれば両ブランドともプライスゾーンは似ている。オリエンタルは現行品にデザインソース(ローファー:ボストン2、Uチップ:ドーヴァーなど)があるように見えるので、好みで選ぶ感じかな。

トゥ先は結構丸っこいけれど、ラスト全体が細いので想像よりシュッとしている。
このローファーは60年代のフランス靴をモチーフにしているそう。フレンチローファー言うたらウエストン180だが、最もアイコニックなモカからして似ている要素がない。あくまで木型を参照しているのみでデザインは別?
24SSから登場したモデルで取扱店も限られているし、ブランド側もあまり表立った発信はしていない。詳しいことは何も分からない。かといって直接聞くってのも粋じゃない。謎は謎の方が良いこともある。(めっちゃ知りたいというわけでもないし)


上:R.C.A.F. ワインハイマー、下:J.M.ウエストン デュプイ(たぶん)
アノネイ、デュプイときて初のワインハイマー。ボックスカーフの最高峰とされる旧カールフロイデンベルグの製法を継いだ、ポーランド製造のタンナーということぐらいしか把握していない。サド・ジョーンズとメル・ルイス亡き後のヴァンガード・オーケストラみたいなものかね?
名高いタンナーのカーフ=凄い!というよりは、トータルの作りありきなので履き込まない限り評価は定まらない。同じ革でも等級があると聞くし。ただ足入れ時に軽く屈曲させたアッパーに入るシワの赤ん坊は私好みだ。中細の線が何本か入る、THE理想的なシワ。
現状クリームも保湿用にコロニル1909の無色クリームしか入れていないが、照明の光がジワ〜っと反射する様は美しく、ウエストンの持つ「ぬらぬら感」に匹敵する輝きが出ると期待できる。ここに色付きクリームはどう乗せようか。手持ちでは青みある透明感のイングリッシュギルド、赤みある重厚感のクレム1925が待機している。フランス靴モチーフならクレムだろうか。いや、漆黒を深めるなら…
新しいクリーム欲しいけどな〜、まだどっちも買って6,7年経つのに8割ぐらい残ってんだよな〜……………

個人的にヒドゥンチャネルは必須じゃないと思う。
オークバークのソール。ウエストンのレザーソールもオークバークだっけ?だとしたらダブルソールの598で踵を破壊し尽くされたトラウマあり。耐久性に優れるとのことで、たしかに小石類が一切めり込まず均一に削れてゆく印象があり強さには納得している。
しかし、このローファーは準つっかけでガンガン履く予定。いつか大暴れする息子を追いかけることもあろう。別にレザーソールが悪路に弱いとはミリも思っていないが、タフな状況での思わぬトラブルを想定するとそのまま裸では履けない。

オークバークには悪いなと思いつつ、靴人生で初となるハーフラバーを貼ってみた。特に拘りなく、駅近にある街の修理屋さんで選べたビブラム2342でお願いした。
返りが付くまでプラスで時間がかかりそうなので、履き始めはこれまで以上に気をつけたい。まずは玄関で足元踏み踏み、スーパーへの買い出し、片道1時間の通勤…と順々に慣らしていかねば、足を破壊し尽くしてしまいそう。

「日本人に合う木型」を謳う靴ってあんまり持ってなくて、デザインが好みであれば(強い痛みを伴わない限り)捩じ込んでいけばイイじゃんスタイルでやってきた。履き心地を重視するあまり、ビジュアルが損なわれては気分が乗らない。だからウエストンが好きだ。至高のデザインがお高く止まっていて、私の足に合わないから。合わないほうが燃える。といっても641,598,310と買ってきてギブアップするほどの合わなさではないし、むしろ今や歩きやすい部類の靴になっている。
R.C.A.F.は取扱店のコメント通り、とてつもなく甲が低く履き口が小さい。サイズはこれまで買い集めてきた革靴同様に7(25.5cm)で、ローファーの「フィット感を高めるためサイズを下げる」セオリーが通用しないように思える。時にタンパッドが必要なほど甲薄め幅狭め足型の私が、サドル部に甲を捩じ込むのにウンウン唸るほどにバッツバツだ。おかげさまで右足サドル内側のステッチがアキレス腱断裂がごとく「プチッ」と音を立てて切れた。新品の靴を5秒で壊す奴がいるか。ちょっと落ち込みつつハーフラバー貼付ついでにリペアマンに相談したところ、今すぐ空中分解するほどの解れではないので大丈夫とのこと。救われました。
足を通すと、全方位から均一な力でギュッと握られる感覚。おそらく人によっては即座にサイズアップを申し出るところだが、経験上これは大丈夫そう。レングス以上にウィズがキワキワを攻めているので、外反母趾(内反小趾)には気をつけたいが。ゴルフがそうであったように、極薄手のロングホーズから始めて最終的には中厚手のリブソックスに切り替える想定。

良さそうなファブリック、良さそうな作り、良さそうな靴。新品で判断できることは少ないけれど、久しぶり(当社比)に革靴を買った高揚感でデレデレしている。
ま、攻めたサイズ感ゆえ辛すぎてギブアップする可能性もあるし、履いてみた感触を含めたアフターフォローは今後も続けていきます。取扱店以外でR.C.A.F.を取り上げているサイトって全然ないし、ユーザー側の目線で何か言えることがあれば。
↓金子さんのロペス。このぐらいクタクタにさせた〜い!