365日をJ棟で

サラリーマンの諸々日記。買い物、音楽、日常。

日記ちゃん。父になり。(2025/10/20)

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第一子となる息子が産まれた。32歳になる直前、父親という肩書きがついた。会社で役職がつくよりも早かった。(訳あって、同期と比べても遅めのキャリアを歩んでいる)

幸いなことがあれば子供は欲しいと、数年前から思っていた。何かをするジャストタイミングというのは難しいと常々感じていたが、結婚から3年ほど経ち、夫婦でやっておきたいことはそこそこクリアしたのかなと思う。付き合う前から話していた森、道、市場は3回行ったし、念願のフジロックに行けたし、昨年はアメリカ旅行にも行けた。結婚当初に書き記したメモ、いわゆるバケット(棺桶)リストじゃないが、子供を授かる前にやっておきたかったことは出来たのでは?と思う。もちろん棺桶リストは別で作りたいけれど。

もともと「すべて子供は可愛い」と慈愛的に思うタイプではなかった。明確に考えが変わったのは、昨年に姪が生まれたタイミング。姉は出産時のトラブルで命を落とす数歩手前まで足を踏み入れてしまい、初孫・初姪誕生に熱狂する一方で、姉の容体回復まで宙ぶらりんの十数時間?を送った。文字通り命をかけて子を産んだ姉を見たことは、私自身の死生観を根本から揺らがすには十分なほどの衝撃だった。そうして産まれてきたからか、はたまた似たDNAを共有するものとしてのシンパシーか、姪っ子はこれまでに見てきたどの子供よりも愛おしく思えた。早速ラルフローレンの肌着セットを貢ぐ、正真正銘の「おじさん」と化した。

実子ともなると、それはもう目ん玉ダイブ does not hurt me at allなほどに可愛い。非常にありがたいことに、出産に伴う大きなトラブルなく、息子は産まれてきてくれた。もちろん悪阻から妊娠中のマイナートラブル、そして想像もつかないような痛みを伴う分娩自体が、身体に対するトラブルだというのは男性として強く認識しなければならない。無事に産み・産まれたことは、奇跡以外の何事でもない。妻には生涯かけても伝わりきるかどうか分からない感謝の念を、これから死ぬまで伝え続けていきたい。

 

富士フイルムのX100VIを買ったのもカルティエのタンクフランセーズを買ったのも、息子誕生前の最後に夫婦で打ち上げた花火のようなものである。タンクは出産への感謝も大いに込めたプッシュギフトだが、X100VIはどう考えても余計、アドレナリンの仕業。

しかし写真という媒介を通して、誰かに会うということは素敵だと思う。結婚式のムービーやエントランスに飾る写真を見返す中で、故人を含め色々な人たちに会うのは楽しかった。スマホで手軽にパシャリと撮ったものをクラウドにアップする、それだけでも思い出をパッケージングするには十分に綺麗だが、形式だけでも何かしらの愛を加えたいと思いX100VIを選んだ。これは富士フイルムがXシリーズの新たなコンセプトとして打ち出した「愛おしさという哲学。」にも反映されている。詳しくはコンセプト文を読んでほしいが、クサいな!と感じる内容であるにもかかわらず、父親になるという実感で感受性が7割増になっているせいか、読んだときにポロポロと涙してしまった。

産まれて1,2分も経たない息子を収めるのに、素通しの光学ビューファインダー・OVFは最強とも言えるツールであった。カメラを通して私と息子の世界が繋がる瞬間というのは、人生でも何度味わえるか分からない、震える体験だった。X100VIで息子の成長を捉えていくのが、今から楽しみで仕方ない。

 

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義弟がウガンダで買ってきてくれたゴリラも待ってます。

じきに妻と息子が帰ってくる。3人での生活が始まる。就職や結婚は人生のページを捲るようなイベントだったと感じているが、今は章が丸ごと一つ変わったような印象を受けている。結婚して以来の静かな部屋でドタバタしつつ、楽しさ10割、不安10割のパンパンな気持ちで2人を迎える準備を進めている。

育休は3ヶ月取った。本当は半年でも1年でも取りたかったが、話すと長くなる諸般の事情もあり3ヶ月。特別長いとは思わない。会社の制度を変える側になるしかないなと、ケツイがみなぎった。

9年前に始めたブログも一区切りです。といっても辞めるわけではないし、いきなり子育てブログに変わるわけでもない。更新頻度が変わる可能性ははあるにせよ、適当に書き連ねるスタイルは変わらず、浪費活動も続いていくことでしょう。今後とも何卒よろしくお願いいたします。