
Cartier Tank Française (SS) SM
カルティエのタンクフランセーズを購入した。自分用ではなく、妻に贈呈。スンとした顔で決済する、32年弱で屈指のデカい購買だ。翌日になって時間差で膝が震えてきた。
ちょっと前から妻が時計を欲していた。以前から憧れのあった、いつかは買いたい…の象徴であるカルティエが気になるとのこと。ライフステージの移ろい、9月10日からの価格改定リーク、じゃあもう好きなの買いましょうやと。本当にいいのか?と疑心を抱く妻、カード切る側なのに何故かウキウキの私。

ペリエをゴクゴク。
改定前の駆け込み需要か、某百貨店では入店制限がかかっていた。10分ほど並んでからスタッフに案内いただき、パンテール、タンクマスト、タンクフランセーズのSMサイズをそれぞれ比較。
私はレザーバンドのタンクマスト好き好き(の割に買っていない)おじさん。妻にも熱く推薦したのだが、今回はステンレスブレスの一択らしく無念。肌に触れる革のデリケートさを思うと、気軽に使う枠には入りづらいよね。私もチューダーではなくタンクマストを買っていたら、野外フェスに連れて行くこともなかったろう。

ワクワクの開封直後。
選ばれたのはタンクフランセーズでした。
1996年の誕生から、四半世紀にわたって同一のRef.で生き続けたフランセーズ。2023年に初のモデルチェンジを実施したそう。旧モデルを見たことがないためハンズオンでの比較はできないが、ベゼル幅や厚みなどが僅かにサイズアップしているのだとか。
最も大きい変化点は、文字盤がシルバーのサンレイ仕上げに、アイコニックなローマ数字のインデックスもミラー仕様のシルバーカラーになったということ。旧モデルは(たぶん)現行のマストやパンテール等と同じように、陶器のような上品な白の文字盤に黒のインデックス。この一大アップデート、ネット上では賛否がパッキリ。私も写真で見ていた限りは、変に立体的&視認性が悪くてイマイチな印象だった。

SMモデルのみサンレイ仕上げ。ローマ数字上に小さく刻まれた"CARTIER"は、VIIではなくXに。
実物、めっちゃ良いです。旧モデルを知らないうえで、もうこれが正解なんじゃないかと思うぐらい良い。
フランセーズは少し"でっぷり"なフォルム。ベゼルもマストより太く厚く、デザインのインスパイア元である戦車らしき堅牢さが映える。対して縦のサイズはマストより大幅に短く、全景は正方形寄りで小ぶり&キュート。
この詰まったステンレスの塊と、金属的な文字盤の噛み合いは最高の一言。ベゼル幅の主張が、統一されたトーンの文字盤で中和されてパーフェクトマッチ。これが従来同様の白黒カラーだったら、絵面がうるさくなりかねないのでは。


妻、大興奮のリストショット。光の当たる角度によって浮かび上がるインデックスに私もサムズアップ。
ボディは腕の形に沿って楕円状に湾曲しているため、手首が細めの妻が着用してもスマートに収まる。ちなみにブレスの厚みもフランセーズの方がマストより薄いのだとか。
長短針はブルーで、竜頭(これもモデルチェンジにより凹凸が控えめとなり120点)のスピネルと合わせて嫌らしくないアクセントカラーに。このブルー使い、グランドセイコーには頑張ってほしいと密かに願っているが…
写真には収めていないが(収めなさい)、どこがクラスプの継ぎ目か分からないようなシームレスな構造のステンレスブレスもイイ。チューダー、もといロレックスのオイスタークラスプはデザインと実用のバランスが非常に気に入っているし、一本のブレスレットかのようなタンクのビジュアルにも惚れ惚れしている。時計が美しいかどうか、欲しいかどうかの基準ってブレスが7割ぐらい占めてません?

何時間でも眺めてられるな。
タンクシリーズは以前より好きではあったけれど、いざ手にしてみるとワクワクが止まらない。私はチューダー ブラックベイ36を手にしてから1年半ぐらいは毎日眺めてはウットリしてしまうほどだったが(4年経ちそうな今も当然気に入っている)、その熱量は妻の所有物であるタンクフランセーズに対しても永く続くであろうと確信している。
トップジュエラーの生み出す時計が、そしてタンクが何故こうも愛されているのか、その魅力はこれから長い年月をかけて、より実感していくのだと思う。(私が着用するわけではないのだが…)
個人的にはダイヤをあしらったモデルより、実用時計と宝飾時計のちょうど中間にあるような、金属で一発勝負したタンクが好き。買えない僻みもあるけれど、18Kのタンクも大好物なので単純にビジュアルの好みかなと。ま、買えないことに変わりはないのですよ…

ブティックでの会計中、他顧客の対応でショーケース下の引き出しが忙しなく開閉される様子を眺めることができたが、どのモデルもそれなりに在庫は潤沢そうだった。
ほぼ全モデルが店頭に並んでいたし、日本限定というタンクフランセーズの特殊文字盤モデルも下からニョキっと見せてもらえた。(転売防止措置かな?)
男性向けの自動巻きモデルを除けば大半はクォーツ式なので、ムーブメントの供給や調整が律速にならない分だけ安定して製造できるのかしら。定番が定番としてフラッと買えるというのは、何よりも素晴らしいことだと思う。

オーバーホールで7万円ってマジ?自動巻きのチューダーでも4万円とかなのに?
モデル選定から購入に至るまでスタッフの対応も丁寧で、短い時間ながら素敵な購買体験をさせてもらえた。
年平均10%ぐらいで値上がりしていくカルティエ、4年前は32万円だったタンクマストLMも今や55万円。金相場が最高値を更新し続ける限りジュエリー類の高騰は仕方がないものとして、じゃあSUS316Lはどうなんだというと……………
SSの時計にブランド代が乗っかり続けることにどこまで納得感を見出せるかによるとは思いつつ(クォーツだし)、実物を見るとこれは買っちゃうよなと。
私もタンクマスト(あるいはマストドゥカルティエ or タンクソロ)が改めて欲しくなったかも…?
私のブラックベイ36も見て〜。ところで時計について話し出すとホディンキーみたいな口調になってまうの、なんなん?