365日をJ棟で

サラリーマンの諸々日記。買い物、音楽、日常。

日記ちゃん。副題なし。(2025/4/15)

しかし幸いなのは、お互いにまだ生きているということだ。極端に言えば、死んでさえいなければ、感謝も謝罪も愛も伝えることができる。それは歳を取るごとに強く実感していく。

昨日こんなことを投稿した直後、ラッパーJJJの訃報が飛び込んできた。35歳の若さ。

悲しくもJJJとKID FRESINOの名前を知ったのは、Fla$hBackSのFebbが亡くなったときのニュースだった。当時はUSヒップホップに出会ったばかり、Jラップなぞ…と思っていた時期だったので、若いけれど一体誰だろう?ぐらいの感覚だった。程なくしてフレシノの"ai qing"に出会ってひっくり返るのだが。

 

その後、働き始めて直ぐに訪れた2019年の森道市場にて、STUTSの客演で"Changes"を歌うJJJを観た。翌日のフレシノでもJJJが"Salve"で飛び入りするところを目撃した。2022年の森道市場でもJJJの単独ステージを観て、たぶんそれが最後だったと思う。

2023年リリースの"Maktub"も出た直後には聴いたものの、私の中ではヒップホップブームが少し下火だったので(世間では年間ベストに選出されていたのとは裏腹に)それほど印象に残っていなかった。訃報を知った翌日に通勤で聴きながら、ビートとラップの美しさに胸が詰まる思い。

 

私はデラソウルの"Stakes is High"が大大大好きで、Jディラのトラックに乗っかる3人のMCは何周しても興奮する。ヒップホップの始祖たるジャズにおけるスウィングとシラブルの要素がこれほど気持ちよく味わえる曲には今も出会えていない。

トゥルーゴイとメイスも素晴らしいが、特にポスのバースは狂ったように流麗。8分音符の滑り方、意図したタイミングでの止め・進めの緩急がまさに(私が思う)ジャズにおけるインプロビゼーションの美しさと一致している。

 

"I got it new jeans それで遠くまで行こうomsb 上がってんの分かります 飾らないで太くtight"なんかの節回しも本当に綺麗。

JJJから感じるのも、そうしたスウィングの美しさ。それこそ"Changes"の歌い出し「全ての罪に目を瞑る 北沢の街灯」での心地よい跳ねと直後の「俺から伸びた影を辿る」での止め・進めの譜割から一瞬で鷲掴みにされる。フレシノも共通して、音のはめ込み方が異常に上手いなと感じる。安心して聴ける…というのはウエメセすぎてキモいが、なんだこれは心地悪いなあ…というラップ/トラックに出会う恐れがないのがJJJだ!という非常に良い印象があった。

まだまだ意欲的かつ精力的に活動していくと思っていたので、急な訃報に(熱心なリスナーでなかったとはいえ)ショックだ。それほど歳が離れているわけではないことも、より心にくる。本当に人は突然いなくなってしまうのだな。ご冥福をお祈りいたします。