365日をJ棟で

サラリーマンの諸々日記。買い物、音楽、日常。

J.M.Weston 598 "Half Hunt"の1年ぐらい後。

 

先日Xにて、とあるポストが話題となっていた。

オールデンのコードバンについて、5年間での変化を比較したもの。革靴というカテゴリでは異例の16万いいね。

良いものを丁寧に使えばこんな風になるんだ!という点がウケていたらしかった。

 

f:id:squaredjackets:20241111183003j:image

J.M.ウエストン 598 スプリットトゥダービー。通称ハーフハント、デミシャッセ、ロジェⅡ。

革靴というのは履けば履くほど、手入れすればするほどに、革の表面に変化が生じる。黒靴の場合は、黒が黒であり続ける=擦れや傷を目立たなくすることが一定のゴール地点になるため、手入れの方策は決めやすい。

どっこい、茶靴だと話が変わる。一枚の革の中でも色調変化の起こり方が異なるため。日光が当たりやすい、よく屈曲する、擦れる等でグラデーションが自然発生する。なので、購入当初から色を変えず一定のままキープにするというのは、あまり現実的ではない。手入れはしつつも、赴くままに色の抜け方を眺めてゆくのが楽しみ方かと思う。

 

f:id:squaredjackets:20241111184236j:image

色付きクリームはThe Way Things Goオリジナルの乳化性クリーム。アッパーより薄い色。

ウエストンの598は、はじめて購入したカジュアル用の茶靴。

定番はボックスカーフの黒/ダークブラウン/タンブラウンだが、シーズナルカラー(?)のコーヒーブラウンを選んだ。初めからムラ加工がなされたパティーヌ・フィニッシュであり、おそらくベースはアノネイのベガノカーフ。(箱にそう記載があったので)

 

f:id:squaredjackets:20241111185035j:image

色よりステッチワークの端正さの方が見てもらいたい気がする。めちゃ綺麗やないですか。

購入当初はバーガンディにも見える赤茶けた色合いだったが、1年ちょっとで少しダークブラウン寄りに近づいた気がする。元からムラがあるので、どこがどうグラデーションになったかは説明しづらいのだけれども…

ベガノカーフの靴は他にも所有しているので予想はできていたけれど、手入れが進んだ際のソフトな光沢感はボックスカーフに負けず劣らず好き。

598もあちこち衝突したり、踵で擦れたりで微妙に色が抜けた箇所も実はありつつ、光を綺麗に吸って吐いてくれるおかげで目立ちにくい。リーガルやスコッチグレインでも比較的リーズナブルに買える革なので、色合いの移ろいを楽しむにはグッドな選択肢では。

 

f:id:squaredjackets:20241111200838j:image
f:id:squaredjackets:20241111200842j:image
f:id:squaredjackets:20241111200846j:image

上から598, 641, 310。ベランダで一眼カシャカシャしてる成人男性、周囲のマンションから丸見えなんすよ。

上記のウエストン3種盛りからも分かるように、598はバリ硬ダブルのレザーソール、ストームウェルトによるコバの張り出し、簡素でドカッとした横顔により、見るからに重厚なオーラが出ている。そしてパティーヌのムラ感が、得体の知れなさをプラスしている気もする。ついでに言うと598だけ明らかに甲が高く、逆に310は低い。

モカが盛り上がったUチップで、ダブルのリッジウェイソールで、カモメのようなパーツ継ぎがされたゴルフは「もちろんカジュアルだよね」と思えるんだけど、上述のゴツい仕様もあるので598は「ドレスシューズではないよな…」と逆カジュアル認定されている。スーツに合わせて履く気は全くない。

 

f:id:squaredjackets:20241111200216j:image

あまり綺麗な絵面ではないですね、すみません。

1年経ってもソールの返りが100%とは言えないので、たまに右踵がベリベリに擦れてヤられたりする。靴紐をギュッと縛って、ヒールカップと踵がピタッと食いつくように履くのがコツだと思う。靴擦れが怖くて反射的に紐を緩めて履いちゃうことってあるけれど、むしろ逆な方が良くなるパターン。

トゥスチールが標準装備なのは返りが付かないうちに爪先を削り倒さないウエストンなりの配慮だと思うんだけど、地下街みたいなツルツルの床を歩くと蹴り出しで滑って脹脛あたりを痛めやすいのは難点。

 

f:id:squaredjackets:20241111200237j:image

このアングルだと、チゼルトゥっぽく落ちる爪先が分かりやすいのでは。

総じて、まだまだ足に馴染みきってはいないし、靴自体の変化もあるにはあるが特筆するほどでもない。(Xにポストしてもバズりはしないだろう)

とはいえ、少なくとも10年は持つであろう耐用年数から見ると1年というのは幼少期でしかない。5年履いたゴルフと比べると、自分のものになった印象はしない。とっても好きで気に入っている名靴、またこれからも沢山履いていきますどん。

 

f:id:squaredjackets:20241111200643j:image

この3足についても、また擦れるだけ擦って記事にしていこうと思う。