映画『ルックバック』を観に行った。
原作者・藤本タツキ氏の作品はチェンソーマンの一部まで読み切ったぐらい。とはいえ、私は漫画をほとんど読まない&アニメもあまり観ないので久しぶりにお金を出して読んだ漫画がチェンソーマンだった。
ルックバックはモチーフとされている事件が事件なので、涼宮ハルヒ、らき☆すたで厨二時代を過ごした私にはツーーーーーッと胸が苦しくなるような作品だった。
私は絵が苦手すぎて、中学で美術の成績は常に2寄りの3で内申点稼ぎに苦労した。なので、劇中の藤野と京本の漫画・美術に生涯をかける想いを汲み取りきることはできない。
投影するとしたら、中高を吹奏楽部、大学をジャズ研にて少なくない時間を音楽に浸し、時に自惚れ、時に鼻をへし折られたことだ。
自分は超上手いとは言えないが、ある程度楽器ができる…と思っていても、環境が変わって世界が広がると気づく。同い年で、バケモンみたいに上手いやつがいるってこと。もちろん、そこからプロミュージシャンになる人もいるんだけど、更にミクロな世界でも周りには逆立ちしたって敵わない人がいる。嫉妬、憧れ、諦めのような感情が渦巻いて、どうせ俺なんか…と悲観的になっていたこともある。そんな中でも、遠すぎる存在だと思っていた彼らに(社交辞令であったとしても)演奏後かけられた嬉しい言葉の数々を、今でも忘れたことはないし、折に触れて思い出すことが支えになっている。
劇中、初対面の京本に憧れを打ち明けられた藤野が小躍りしながら帰る、あれが私にとってこの作品の最も愛おしく大切なシーンだと思う。最も認められたいと思った人物に演奏を褒められた日の帰りは、足取りがいつもの何倍も軽いものだった。
決して明るくパカパ〜ンと終わるストーリーではないにせよ、必ずしも悲観的な読後感にならない塩梅が、この漫画・映画の良さだと感じている。京本は藤野の背中を見て、藤野はこれまで歩んできた道と京本の姿を振り返って、そして起きてしまった過去に怒りを抱え込まないで。いろんな人のつっかえが、どうか救われる時がきますように。
なかなか財布の紐も緩いので、街で買い物をば。Wpc. IZAの日傘と、Aesopで3本目のファビュラスクレンザーと、妻のボディ用ロールオン。
新作の香水は発売こそまだだが、テスターは置いてあって、布袋にプッシュしてもらった。柑橘+イチジク+緑茶の瑞々しい香り。爽やかで万人受けしそうだけど、ちょっとAXEとかにあったような男性的な香りではある。Aesopだからこそ、という意味ではやはりTacitやHwylに軍配が上がるので、なんとも。
あとメルカリで買ったメガネのレンズ交換も済ませてきたんだけど、この話は別で書き起こそうかなと…