365日をJ棟で

サラリーマンの諸々日記。買い物、音楽、日常。

日記ちゃん。五七日と時計と。(2021/8/15)

祖母の五七日の法要に参加するため、帰省していた。

祖父母は一軒家に二人暮らしだったため、二人が亡くなった今、この家や土地をどうするのかという重た目の悩みが降り注ぐ時期になってきた。祖母は予定外の急逝だったため、終活らしい終活が出来ていなかった。

祖母宅に集まった際、こんなのがあったよと叔母が見せてくれたものがあった。

 

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Cyma(シーマ)社のCymaflexと、Omega社のDe Ville。

どちらも祖父母がいつ着けていたのか、娘(つまり母)達も全く把握しておらず、宙ぶらりんで保管されていた。

 


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シーマは1800年代に創業、一時期はスイス最大の時計メーカーにまでなったものの1960年代に倒産し、現在は名ばかりの別会社となっているそう。一時期は栄華を築いたが………という点で、サックスのC.G.ConnやSelmer U.S.A.(≠A.Selmer)に近い存在だろうか。

調べた限り、これは1950年代の時計と見受けられる。となると、当時の祖父母はまだ10〜20代だっただろうから、曾祖父(母)が所有していたものだろう。

分厚いドーム型風防、くすみや変色はあるものの腐食の見られない金色ケース(どうやらメッキではなくモノホンのK18)といったクラシカルを通り越したアンティークな雰囲気が大変よろしおす。

手巻きで、一応チリチリとネジを巻くことは出来るが角度によって針がグングン動いたり全く動かなかったり、正しく時を刻むことは出来ないみたい。またバンドは先端がパックリ折れていた。

 


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オメガのデ・ヴィレはレディース向けモデル?に該当する?のかな?

自動巻き・手巻きのモデルはよく出てくるけど、クォーツ(1417)で文字盤がXIIとVIとなっている同型のモデルは探せど見つからず。70〜80年代かしら。祖母が腕時計、しかもメンズサイズに近い大きさのものをしているところは記憶の限り見たことがないので、祖父が仕事の時に着けていたのかもしれない。

ケースサイズは32mm。クォーツのツルンとした薄さも相まって、シンプルかつ美しいデザインが心を潤す。グランドセイコーあたりでクォーツの時計を買おうか迷っていた頃、個人的にオメガならばシーマスター・アクアテラぐらいのコンパクトさが良いと思っていた。でも今また選ぶとするならば、ここまで絞り切ったデザイン、それもノモスの様な「欧米的ミニマル」というよりは、セイコーやシチズンで出会える様な「ザ・腕時計」として最低限を有する時計の方が圧倒的に好み。クロノグラフやダイバーズを好きになる日は当分訪れないと思う。

ところでオメガは生産終了している旧モデルも全てHP内でアーカイブとして掲示していて、こういうのは有難いよな〜って思う。多くのブランドは品番とかで調べても詳細が出てこないケースの方が多いしね。

 

ということで二つの時計、捨てるのは流石に勿体無いだろうということで修理店に持ち込むために一時的に預からせていただけた。動けば親族内の誰かが使うのも良し、オーバーホール代が高くつきそうな場合は時を刻まない形見として大切に保管する、ということで。

それにしても祖父母と共に時を刻んだアイテムというのは、なんだか8割増で素敵に見えてくる。僕も子孫に受け継げるような物を一欠片でもいいので遺せたら良いなと、ぼんやり思うた。