365日をJ棟で

サラリーマンの諸々日記。買い物、音楽、日常。

2019年、良い感じの音楽。(1〜6月)

今年も去年同様、気になる新譜は無理のない範囲でチェックしています。月間50枚ペースとかで聴いている(本当に聴けてる?)世の変態ほどではないですが。

上半期ベスト!なんて企画(?)で良かったアルバムを書く際に、見栄えを意識して9枚や16枚に纏めるのがなんとなく嫌でして。8枚しかなかった時に仕方なく1枚付け加えたり、17枚だった時に頭を悩ませて1枚削ったり、無理くり感が出ちゃうので。

枚数制限なく、つらつら書き連ねるのが良いよねと。

 

以下、つぶやき。

 

瞬間的シックスセンスあいみょん

この2019年を高校生として過ごせたらどれだけ良かったろうなと思います。25歳の半おじさんに"if"の世界を思い描かせるシンガーソングライターは、あいみょんしかいない。

あいみょん(と米津玄師)がアンセムの青春時代を生きたかった。「ら、のはなし」だけどね。

 

エクセルシオールフィロソフィーのダンス

ベイビー♪イッツ・マイ・ターン♪

ブラック・オリエンテッドなダンスミュージック×アイドルの刹那さ(切なさ)を求めた東京女子流のオタク(通称:アスタライト)達の亡霊は、フィロのスに着地したのであった…

日向ハルさんの声がヤバい。

 

HAPPY HAPPY / TWICE

HAPPY HAPPY - EP

HAPPY HAPPY - EP

  • TWICE
  • J-Pop
  • ¥750

昨年のベストソング、What is Love?と並ぶぐらい好きかもしれない。それはつまり、僕がI→IIIm→IV(VIm)→IVmを白玉で繰り返せば喜ぶチョロいオタクであることがバレてしまったということ。

真のエモーショナルさを引き出すのは、ネガティヴ・ハーモニーでもブラックアダー・コードでもなく、なんのひねりも無いサブドミナントマイナーであることを再確認したのでありました。

 

Schlegenheim / black midi

何かしらの"執念"を詰めに詰め込んだミニマルなリフを、ゴリラ並の腕力でぶん投げて、こちらの耳にぶっ刺すどころか脳まで貫通させる、そんな曲の連鎖。「おほほ、このフレーズかっこいいナ♪」なんて温いもんじゃない。聴きながら「おわあああああああああああああああああああ」としかならない。

昨年の折坂悠太、ルーカス・ピノの様に一撃で「うわあ、これは本当に…!」となるアルバムにまだ出逢えていなかった2019年。ブラック・ミディがその枠にハマりました。来日公演のチケットも取っちゃいましたよ。

自分の音楽的な文脈とは全く関係のない名盤に突然出会えるのが、インターネット社会の良いところだと思います。ジェレミー・ダッチャー、THE 1975みたいにね。

 

Genesis / Devin Townsend

高校時代、ブックオフで買ったスティーヴ・ヴァイの"Sex & Religion"というアルバム。ボーカルで参加していた(1993年当時)無名の新人 デヴィン・タウンゼンドに度肝を抜かれた思い出。そのアルバムに収録されている、僕にとって"ごちゃ混ぜメタル"の最高傑作である"Down Deep Into The Pain"を超える1曲に、やっと出会えました。

壁の様な音鳴りに由来するデヴィンの代名詞"ウォール・オブ・サウンド"が耳に押し寄せる…いつも以上にシンフォニックで、いつも以上にバカやってて、それでいて破綻のない、なんなら"美しい"とすら感じる音の洪水。↑のブラック・ミディとは対照的で、デヴィンの音は全てが優しい。

やっぱりデヴィンを超えられるのは、デヴィンしかいなかったょ…

この曲だけでお腹いっぱいになり、アルバムは未聴。いわゆる"おま国"により日本ではサブスク未解禁なようなので、フィジカルを買う機運が高まり中。

 

Moon River / Jacob Collier

正直、音楽を聴いて"泣いた"と言いながら涙を流していたことなんて(記憶の範囲では)一度もなかったんだけど、初めて泣いた。

"Here Comes The Sun"のカバーも最高だったので、もうじきリリースされるであろう"Djesse (Vol.2)"もノールックで年間ベスト入りされることでしょう。

4部作をリリースすると聴いた時はどうなるかと思ったけど、たった1人で音楽界に革命を起こそうとしているジェイコブ君に、凡人の心配は不要だすね…

 

Doing The Things / Louis Cole

リリースされた直後は狂ったように聴いていました。本当に、狂ったように。それこそ、2分の曲を1時間ぐらい毎日リピートしてました。

ルイス・コールのShort Songシリーズはアタリしかないので、2分ぐらいの曲が聴きたいな〜という気分の時にちょうどいい。

 

Ancestral Recall / Christian Scott

Ancestral Recall

Ancestral Recall

  • クリスチャン・スコット
  • ジャズ
  • ¥1500

クリスチャン・スコットのトランペットからは、個人的に"孤独"を感じる。お洒落ジャズ♪とは無縁に無人の荒野で楽器を鳴らし続ける、求道者のサウンド。その群れない&媚びない姿勢に強く憧れる日本のオタク、25歳のオタク。

謎めいた喩えで恐縮ですが、お寺で住職を眺めている際の「この人も、時どき寂しくなったりするのかな」という(雑念まみれの)感想を、クリスチャン・スコットの立ち振る舞いに対しても抱きます。

ちなみに"アンセストラル・リコール"という同名のカードがマジック・ザ・ギャザリングにあるようで、このカード1枚でクリスチャン・スコットのトランペットが1本買えそうです。

 

BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! / Mark Guiliana

BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! BEAT MUSIC!

BEAT MUSIC! BEAT MUSIC! BEAT MUSIC!

  • MARK GUILIANA
  • エレクトロニック
  • ¥1500

泣く子もグルーヴする狂テク・鬼神モードのマーク・ジュリアナを求める層にはカスりもしないであろう本作ですが、今年リリースのジャズ(エレクトロニック)では再生回数トップかも。打ち込みと聴き紛うカッチカチにカタいビートミュージックをお遊び無しで演る、タイトル通りの一作。(鬼ビートを求めているオタクたちは、ルイス・コールの"Drum Solo"を聴いて成仏してちょんまげ…)

"BULLET"や"HUMAN"で聴ける、ハイハットとスネアは通常営業のまま、バスドラムでリフを刻むのがマークの真骨頂だと個人的に思っていて、このユニゾンを生演奏でサラッとやられたら絶頂するかもしれない。旧作で言えば、Heerntの"Locked In a Basement"とかね。

Locked In a Basement

Locked In a Basement

  • Heernt
  • ジャズ
  • ¥250

来日公演、行きたいなあ…

 

 

Distant Storm / Sara Gazarek

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Distant Storm

Distant Storm

  • サラ・ガザレク
  • ジャズ
  • ¥2000

 

オールタイムで最も好きなサックス奏者 ボブ・レイノルズがサラ・ガザレクのバンドで来日すると聞いて「サラ・ガザレク?誰か知らんけど行きまあす!」と飛びついた4月末。

イマドキの女性ジャズボーカリストは、なかなかムツカシイ。スタンダード曲でハードにスウィングするならビリー・ホリデイサラ・ヴォーンとかで間に合ってるし、逆に現代ジャズ過ぎると小難しく場合によっては「このボーカル要らなくない?」と感じることも。

サラは、とにかくバランスが素晴らしい。透き通るトラッドなジャズボーカル!というサラの声質と、シンコペーション変拍子で甘辛く煮詰めた楽曲がとにかくハマるのです。「今っぽさに、優しさマシマシで」という似たベクトルの音楽性を持つボブ・レイノルズが来日公演に帯同したのは、自然な成り行きかと。「歌モノにおいてバックバンドが好き放題演るのは御法度、譜面を間違えるなんて以ての外」とオトナな距離感を保ち続けるバックの紳士達も素敵。(ドラムのクリスチャン・ユーマンはジェイコブ・コリアーと親交があり、↑のMoon Riverの冒頭でもコーラスとして参加しています)

アルバムタイトルでもある"Distant Storm"は親交のあるブラッド・メルドーの"When It Rains"に歌詞を付けたもの。

When It Rains

When It Rains

サラのメンターでもあるカート・エリング(vo)がゲスト参加しており、カートが歌い始めた途端に「アタイも人の温もりに触れたいよ〜、えーん」と心のダムが決壊しちゃう。だからTinderとか始めちゃったり、ギャルは最高だということしか考えられなくなったりするんだろうな。カート・エリングはギャル。[要出典]

 

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他にも色々聴いてはいるのですが、何かしらの何かを書きたくなるようなアルバムは大体紹介したつもりでやんす。

皆さんの上半期ベストは何でしたか?(^^)(こういうことを書くブロガーは大体相手の話を聞かないし、何の分野においても"そこそこ有名だけど事務所に属しておらずマネージャーもいない"セミプロの女性がツィートする度にリプライを送る)