初フェスでした。
もともとペトロールズが定期的に参加していることから気にはなっていたのですが、先日も伊丹市をサイクリングした友人に誘われ、ロードバイクを輪行して行ってきました。
チャリラー大集合。
自転車を持ち込んで会場に行くとチケットが半額になる+専用ゲートからスムーズに入場できるという超高待遇っぷり。
朝6時に新大阪から新幹線で名古屋まで向かい、岡崎駅から20kmほどコキコキ。会場のラグーナシティまでは田舎的な広い道が続いていたので、巡航25〜30km/hほどですんなり向かえました。
日焼け止めを忘れ、自分でも引くぐらい焼けてもうた…
森道市場は音楽×食事×買い物に雰囲気を振りかけまくったイベントで、全国各地から集ったグルメやグッズストアが所狭し。
しかし、メインで楽しみたかったのはやはり音楽。
僕らは土日(2日目、3日目)の参加。時間が許す限りの組数を観ましたが、特に良かったのは以下のアーチストたち。
*ステージは撮影禁止だったので、写真はなし
・セク山(2日目)
DJ達が入れ替わり立ち代り登場するディスコステージにて。
いわゆるクラブ文化に足を入れていない僕ですが、腹に響く超爆音で聴く音楽、良い意味で偏差値が低くてたまらなかったです。セク山さんのMCも楽しく、60分フルで飽きることなく、嫌なことも全部忘れてノり続け。
終盤に星野源のPop Virusが流れた時の盛り上がりはフェス一番だったかも。目の前にいたギャルは黄色い…というか血反吐が飛び出そうな歓声を出してました。
セク山さんのDJ、星野源で盛り上がる場面。ここなかなかよかった pic.twitter.com/5FV91sfMAX
— 伊藤聡 (@campintheair) 2019年6月1日
最高。
・ペトロールズ(2日目)
もちろん、言うまでもなく国内最高峰のスリーピース。
「練習しますっ」とリハーサルを始め、そのまま「このまま始めます。よろしく!」とSE〜入場をすっ飛ばしてのスタート。
暗いライブハウスを飛び出し、風が心地よい野外ステージにヌルッと現れたペトロールズは、いつもより更にユルくて素晴らしかったです。
七三オールバック、赤レンズのサングラス、赤&橙の開襟柄シャツ、黒スラックス、サンダルの長岡さんはイケ度メーターが振り切れてました。
・Chara(2日目)
そんなに知らないけど、せっかくだし…と軽い気持ちで待機していましたが、度肝を抜かれてもうた。
ポップ〜ソウル〜ファンクを柔軟に行き来するパワフルなバンドセット(サックス&キーボードはCRCK/LCKSの小西遼さん)に、マイクを構えるだけで空気を支配するCharaの作る音楽は、世代もそうでない人(つまり僕)も巻き込んだ大団円へ。感極まって泣いてる人も沢山。
何よりも花柄のオールインワンにハート型のバッグを肩に掛けたご本人がめちゃくちゃキュートで、観客みんながメロッメロ。Chara・椎名林檎・安室奈美恵に人生を狂わされたガール、日本に何人いるんだろうね。
・STUTS(2日目)
一言で言えば、魔術師。
スタスタと低姿勢で現れた、どこか頼りなさそうなハニカミ系の好青年。サウンドチェックで"Renaissance Beat"を叩き始めた瞬間からフロアが沸点を突破。
汗を撒き散らしながら一心不乱にビートを打つ姿は強烈で、爆鳴りのスピーカーから飛び出す音は質感がめちゃくちゃ良いし、生で叩くドラムよりも遥かに"ヤバい"。同じMPCの使い手、JディラやQティップの黒くて粘っこくてスタイリッシュな音はどうやっても出せない、ならば日本人として出来ることは…というSTUTSなりのガムシャラさ(想像に過ぎませんが)を帯びた音。ステージを眺めながら、ちょっと泣けた。
30分の短いステージながら、Alfred Beach Sandal、Campanella、KID FRESINO、JJJなど森道市場に参加するアーティスト達がそれぞれSTUTSとのコラボ曲を携えて登場。狭い会場はヒップホップヘッズの歓声で地鳴りが起きてました。太陽が沈みかけた会場に流れる"夜を使いはたして feat. PUNPEE"がエモーショナル過ぎて夏。(PUNPEE本人が登場しなかったことに「あいつ、お高くとまってんな!」とヘッズがキレてたのも最高でした)(そもそも森道に来てない)
印象に残った度で言えば、間違いなくここ数年のライブで一番。早めに行ったおかげでステージのド真ん前、7,8列目で観れましたが、終演後に振り返ったら1,000人(それ以上?)単位で人が詰めかけていてビックリ。
・FINAL SPANK HAPPY(3日目)
スパンクハッピーって何だっけ?名前は知ってるけど、誰がやってる・どんな音楽か知らないな〜と思って気軽に向かったら、BOSS(a.k.a. 菊地成孔)とOD(a.k.a. 小田朋美)のユニットでビビり散らかしました。
トラックに合わせて踊ったり口パクしたり、MC一切ナシの超絶(地獄の)エンターテイメント。
とことん胡散臭く"俺の女"感を出してくるBOSS、衣装から声から徹頭徹尾エッチなODが不埒にフェスの空気を掻き乱す感じ…いや、というかもう、とにかくオダトモミさんの醸す色気が頭を離れなくて………色々ヤバいね………
・KID FRESINO(Band Set)(3日目)
名前は知ってたけど、実は聴いたことがなかったキッド・フレシノ。(去年、Febbが亡くなった際、一緒に名前を知ったレベルです)
生で聴ける機会だしってことで、数日前に"ai qing"を予習してぶったまげました。
本人もインタビューで言及していることですが、ケンドリック・ラマーの"good kid, m.A.A.d city"やチャンス・ザ・ラッパーの"Coloring Book"と似た匂いが感じられる…つまりはヒップホップといういちジャンルを完全に飛び越える、ポップス・ロック・ジャズ・ソウルの名盤と同列に語られるようなアルバムが、日本のヒップホップシーンから出ていたことの衝撃たるや。
遅ればせながら、2018年のベストアルバム10枚に入れたいぐらいの大傑作。
今回は欠席でしたが、アルバムのドラムはこれまたCRCK/LCKSの石若駿さん。
Yasei Collectiveの斎藤拓郎さん(Gt)、ペトロールズの三浦淳悟(a.k.a. ジャンボ)さん(B)、the HIATUS・toeの柏倉隆史さん(Dr)、マルチ奏者の小林うてなさん(スティールパン+DJ)、カメラ=万年筆の佐藤優介さん(Key)が召喚されたバンドセットは鬼に金棒。
フレシノの身のこなしもカッコよくて、バックトラックに軽快に乗っかりステージを縦横無尽に駆け回る様はパフォーマンスとしてもバッチグー。リリックに"Petrol(ペトロールズ)"や"ここは夜学(夜学/折坂悠太)"といったサンプリングで共演者へのリスペクトを散りばめているところも好きです。時たま見せる幼い笑顔も素敵でした。
この他にもAwesome City Club、TOWA TEI、tofubeats、けもの、Yogee New Wavesも聴けて、2日通して6,000円ちょっと。ホントに良いのかしら?って感じ。
フレシノが始まる辺りから雨が降り始めたので、予定を変更してThe xxxxxxやKing Gnuを聴くことなく早めに帰宅。雨に打たれるし、身体は疲れてるし、日焼けで痛いし、翌日にはお腹を下すしで色々大変でしたが、そんなことはどうでもよくなるぐらい、初フェスは最高でした。
来年も絶対に行きたいし、次はテントを持ち込んで5,6人でキャンプがしたいのう。
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そういえばペトロールズ(リハのみ)、STUTS×KID FRESINO、KID FRESINO Band Setで3種類の"アンバー"が聴けて楽しかったナ。
数ヶ月前にMステで桜/コブクロのドイヒーなラップアレンジ(僕はコブクロの大ファンです)を聴いて「キラーチューンをヒップホップ化するのは無理があるのでは」と思ってましたが、そうでもないんだなって。