おととい(5月26日)はジャズトランペットの巨匠、マイルス・デイビスの誕生日だったそうです。
個人的に好きなアルバムは、ありふれたアレですが、Kind of BlueとFour and More。
So Whatのマイルスの1コーラス目(2:00〜2:08)、E♭ドリアンに突入する際のビル・エヴァンスでゾワッ。情景が怖いぐらいに浮かんでくる、スモーキーなコードの羅列。真っ暗な部屋、爆音で聴くとイきそうになります。ヒュ〜ッ!(?)
(ドラムの)トニー!俺だ!もっと煽ってくれ〜〜〜!!!
エレクトリック期に進んだ後のマイルスもモチロン好き。その中でも、今日のタイトルになっているパンゲアが特に好きです。
Miles Davis (Tp)
Sonny Fortune (Sax, Fl)
Pete Cosey (Gt, Synth, Perc)
Reggie Lucas (Gt)
Michael Henderson (B)
Al Foster (Dr)
James "Mtume" Foreman (Perc)
1975年に大阪フェスティバルホール(!)で開催されたコンサートを丸っと収めたライブアルバム。こちらは夜の部。昼の部を収めたアルバムは、アガルタ(Agartha)として発売されています。
1曲40分×2ってだけでヤル気を大いに失くしそうなもんですが、実はそこまでクセのあるアルバムでもないように感じるんですよね。
ノンストップ・メドレーで曲調はどんどん変化していきますが、一貫しているのは1,2,3,4と縦にノれるロック調のビート。
バックのギター、ベース、ドラムはかなりシンプルで、基本は8ビートの単純なコード進行のループを繰り返しているだけ。それも、とんでもない熱量と持久力で。
ワウをかけたマイルスの、フレーズらしいフレーズの出てこないウネウネとしたトランペットのインパクトが強すぎて、演奏全体まで「わけがわからない」ことにされているのは、チョビッと残念です。
ソニー・フォーチュンの爆鳴りサックス、レジー・ルーカスのジミヘンが憑依したような速弾き、ピート・コージーのキレにキレた重量級カッティング、どれだけ展開がアツアツになっても絶対に取り乱さないコンビネーションばっちりのマイケル・ヘンダーソン、アル・フォスターとジェームズ・フォーマン…
完全に統制の取れたバンドの上で、マイルスがひたすらに気持ちよくなっている、そんな天国絵図。
「ジャズ はじめての25枚!」みたいなガイドブックには絶対に載ることのないようなアルバムだとは思うのですが、いつか再評価される流れが来るといいなぁと密かに願っています。
このカオティックな雰囲気が好きな人、僕より若い世代でも割といると思うんですよネ。